今回はゲド戦記のアレン二重人格?影の正体や表情が豹変するきっかけは何?
と題してお届けします。
スタジオジブリ映画ゲド戦記では、アレンの表情の豹変ぶりにも話題が集まりました。
アレンのあまりの変貌ぶりに二重人格なの?という声が上がっています。
いつもの気弱な表情から一変し、怖い顔になるアレン。
●アレンは二重人格?
●影の正体は何?
●アレンの表情が豹変するきっかけは何?
を考察していきます。
ゲド戦記のアレンは二重人格なのかを考察!表情が豹変するきっかけは何?
スタジオジブリ製作、宮崎五郎監督のゲド戦記は、ジブリらしくないと言われている映画です。
その理由の一つに豹変した時のアレンのキャラクターや表情があります。
アレンは二重人格なの?という声もあるので、考察してみました。
結論を申し上げますと、二重人格ではなく、感情の爆発を抑えられない状態にある、と考えられました。
映画ゲド戦記の主人公アレンについて詳しくみていきます。
アレンの生い立ちは?
アレンはエンラッドという国の王子で17歳です。
エンラッドはゲド戦記の世界のアースシーでも歴史の古い島です。
アレンのお父さんは、立派な王で賢王でした。
アレンの母である王妃は、映画では冒頭のシーンしか出てきませんが、かなり怖そうな印象でしたね。
姿を消したアレンを探していた侍女達が、最近のアレンの様子を心配し、王にそのことを伝えていました。
しかし、王妃は王のそのようなことを進言した女官達をたしなめます。
そして「王は民にだけお心を」と王として国民の事だけを考えてください、ということを伝えています。
そしてこの後、アレンは王を刺してしまうのですが、侍女達の発言からアレンが通常の状態ではなかったということが分かります。
王妃の態度から、アレンは立派な父の後を継いで、将来国王になる者として厳しく育てられたことが想像できました。
いつものアレンと豹変したアレンの違いは?
通常のアレンと豹変した時のアレンの違いは、一目瞭然です。
顔つきが違いすぎます!
これが豹変した時のアレンの顔です。
今までのジブリ映画では見られなかった表情で、怖すぎる!と言われていました。
通常のアレン
- 自信のなさそうな不安げな表情
- 言葉遣いは丁寧で礼儀正しい
- ぼんやりとしていることが多い
豹変したアレン
- 憎しみに満ちた目で挑発的な表情
- 吐き捨てるように話す
- 動作が機敏で戦闘能力が高い
通常のアレンは、どこか自信のなさそうで声も小さく、言葉数も少ない少年です。
今時の普通の高校生と同じような印象を受けます。
アレンは、王子として厳しく育てられたので、聞かれたことにはきちんと答え、礼儀正しく真面目です。
対して豹変した時のアレンは、憎しみに満ちた表情でにらみつけます。
言葉も挑発的で、戦闘能力の高さもすごいです。
このような違いからアレンは二重人格なのでは?と言われています。
しかし、映画を見るとアレンは二重人格というわけではないと思いました。
アレンが豹変する理由やきっかけを考えてみました。
アレンが感情を抑えられず豹変してしまう理由は?
アレンが豹変してしまうのは、二重人格だからではなく、感情が抑えられず爆発してしまうのだと思います。
理由が3つ考えられました。
1.世界が均衡を崩したことによりアレンの心も闇にのまれた
2.次期国王としてのプレッシャーや孤独感
3.生きることや未来への不安などのイラつき
アレンの感情が抑えられなくなった理由を順番に考察していきます。
1.世界が均衡を崩したことによりアレンの心も闇にのまれた
映画序盤では、
●海が荒れ、船が難破しそうだが風の司である魔法使いが魔法を使えない状態
●長生きで賢い竜が共喰いをしている
●感染症が流行っている
とこの世界に異常事態が起きていることがわかります。
そして国王と一緒にいた長老が「光が弱っている、世界の均衡がもたらす光が」と言います。
光が弱まることで、人々の心も闇が大きくなってしまいます。
アレンの生い立ちの部分でも書きましたが、侍女達が「この頃ふさぎこみがち」と心配していたように、アレンの心は通常の状態ではありませんでした。
感情の振り幅が大きくなっていたのだと思われます。
落ち込んだりふさぎこんだりと気持ちが沈んだ分、振り子のように感情の爆発も大きくなってしまったのではないでしょうか。
2.次期国王としてのプレッシャーや孤独感
王妃であるアレンの母の態度からわかるように、アレンは時期国王として、色々なことを学び、厳しく育てられたと思われます。
そのことがアレンを孤独にしてしまったのではないでしょうか。
映画ゲド戦記のキャッチコピーの一つに
父さえいなければ、生きられると思った。
というものがあります。
アレンは、父である王があまりにも偉大なために、自分もそうならねばと、自分でプレッシャーをかけてしまったのかもしれません。
真面目で純粋な少年なゆえに自分を追い詰めてしまいました。
そして、父がこの辛さの元凶で、父がいなければ楽になれると思ってしまったのでしょう。
3.生きることや未来への不安などのイラつき
アレンはホート・タウンで「楽になれる薬」にふらふらと手を出そうとします。
さらにクモの館でも心が休まると言われて渡されたワインのような飲み物を口にします。
アレンが現状から逃げたい、何もかも忘れてしまいたいと思っていることの現れです。
自分に自信が持てず、得も言われぬ不安に襲われてイライラが募り爆発してしまうのでしょう。
また、父を刺してしまった罪悪感から目をそらしたいのにできない、という追い詰められた気持ちで張り詰めています。
張り詰めた糸は切れやすいので、アレンの気持ちは、きっかけがあると爆発してしまいます。
アレンが怖い顔になるシーンを分析
その豹変ぶりで二重人格⁈とも言われるアレンですが、感情を爆発させてしまうきっかけは何なのでしょう?
豹変シーンを分析してみましょう。
2か所ありました。
1.オオカミに襲われてハイタカに助けられた時
2.ウサギ達からテルーを守った時
1.オオカミに襲われてハイタカに助けられた時
砂漠を馬で駆けるアレンがオオカミに襲われそうになります。
落馬してしまい、オオカミに囲まれた時に表情が恐ろしい顔になります。
剣に手をかけて戦おうとしますが、フッと恐ろしい顔から寂しそうな顔へ変化します。
そして
「お前達がぼくの死か」
と言い、諦めたような、でもどこか安心したような顔に変わります。
そこでハイタカに助けられると、再び恐ろしい目で睨みつけます。
このシーンだけでもアレンの表情は
通常→豹変→通常→豹変
と目まぐるしく変わります。
アレンは、オオカミに襲われることで感情が昂ぶり、攻撃的になります。
しかし、フッと我に返ったのは、楽になりたいという気持ちから死を受け入れたのではないでしょうか。
それをハイタカが助けたことで、アレンは邪魔をされたと思い、再び攻撃的になります。
2.ウサギ達からテルーを守った時
ホート・タウンでウサギ達に襲われているテルーを守った時にも、ウサギの手下に
「命乞いしてみろ」
と言われた瞬間に様子が変わります。
「命などいるか」
と言い放ち、鋭い目つきで容赦なく手下をやっつけました。
どちらのシーンにも「死」「命」が関わっていることがわかります。
アレンは死を恐れていると共に、生きることも恐れているので、死や生を意識すると感情のコントロールが効かなくなるのではないでしょうか。
ゲド戦記アレンの影の正体に迫る!
明日は「ゲド戦記」をお届けしますぅーー😆❤️人は誰でも、投げやりになったり、自暴自棄になったり、道に迷ってどうしていいかわからなくなったり、どうでもいい…と思ったりすることありますよね・・・そんな「闇に落ちそうになったことのある」全ての人に贈りたい物語ですー😭 #ゲド戦記 #闇落ち pic.twitter.com/EkWLaX7KeT
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 11, 2018
ゲド戦記の映画の中でアレンは、もう一人の自分に追われて、怯えています。
アレンの影は闇ではなく光だった!
アレンの影はアレンの光でした!
アレンの影と思われていたもう一人のアレンは、テルーにこう告げます。
アレンの不安が「心の闇」となり、その「心の闇」がアレンの体を奪って逃げた。
本来は、闇と共にあるべき光。
アレンの影と思われていたものは、アレンから離された光でした。
アレンを追っていた影の正体は、アレンの光だったのです。
光、というのは、命、死を受け入れて生きることです。
不安や恐れといった闇で心がいっぱいになってしまったアレンは本来、共にあった光の部分を切り離してしまったのです。
アレンは世界の均衡が崩れたことで、心の均衡も失っていました。
そして自分でもコントロールできなくなり、父を刺してしまい、その罪悪感で更に自分を追い詰めました。
良心の呵責にさいなまれて、闇で心を一杯にし、光を受け入れることができなかったのでしょう。
それでも、テルーやハイタカやテナーと出会ったことで逃げることをやめ、一緒にあるべき自分の光を受け入れることができました。
まとめ
ゲド戦記の主人公アレンは二重人格なのか、どのようなきっかけで表情が豹変するのか、影の正体は何なのかを考察しました。
アレンは二重人格というよりは、いつも心が不安でいっぱいで張り詰めているので、感情が昂ぶると抑えることができず豹変してしまうのだと思います。
アレンの影の正体については、アレンの心が闇に支配されてしまったことで切り離されてしまった、アレンの光でした。
光から逃げていたアレンですが、テルーやハイタカとの出会いによって再び光を受け入れられました。
クモに対して「自分が生かされていることを忘れているんだ」といった時のアレンは、かっこよかったです!
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